2014年2月1日土曜日

THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!

 
 
★★★★☆
 
プレイヤーがプロデューサーとなってアイドルを育成する人気ゲームをアニメーション化し、2011年にテレビ放送された「アイドルマスター」の劇場版。脚本を新たに書き下ろした劇場版オリジナルストーリーで、芸能事務所765プロダクションに所属し、新米プロデューサーとともにトップアイドルを目指す少女たちが、アリーナライブに向けて合宿に励む日々を描く。監督・キャラクターデザイン・総作画監督の錦織敦史、脚本の高橋龍也、アニメーション制作のA-1 Picturesをはじめ、メインスタッフ、キャストともテレビシリーズから続投。http://eiga.com/movie/79111/より)
 
ドラマとアニメの映画化は、本来の映画ファンからはあまり良い印象を持たれない。
単純な一本の映像作品として観られる設定のものがあまりに少ないからだろう。その意味ではこれらは―昨年大ヒットを飛ばした「まどマギ」の新作しかり―ファンがこれまでのTV放送やその他メディアで体感してきた“文脈”を映画館という箱に集約させ、感動を共有する“場づくり”に、お金を払っていると言った方が近いのかもしれない。
 
だからアニメ作品の劇場版は0時解禁の上映が非常に盛り上がるのだろう。
 
今回取り上げている本作も、様々な文脈を集約させて、ファンに感動を与えている涙腺爆撃コンテンツだ。
世間からは問題視されている課金制の携帯ゲームに出てくるアイドルを新キャラとして投入したり、劇中のクライマックスの横浜アリーナでのライブシーンは、念願かなって実現した同場所での“中の人”たちのコンサートを彷彿とさせたり、TVアニメではまだまだ成長途中だったアイドルたちが、今作ではチームの一員としての自分の立ち位置を理解し、それぞれの役割を担っているという成長した一面だったり、このコンテンツを愛している人なら油断するとギャグシーンでも涙が出てきてしまうんじゃないかというくらい過剰に仕掛けが置かれている。

そんな765PROの成長しきった姿を観られる一方で、各キャラが大きくストーリーに絡んでくることは残念ながら少ない。今作は天海春香がリーダーとしてバックダンサーを交えて行う初のアリーナライブを、様々な問題点がある中でどのように着地させるかが最大の胆となる。

春香が抱くあるバックダンサーへの情とも捉えられてしまう感情に、怒り(そして焦り)をあらわにしてしまうダンサーもいるが、この流れに関してはアニメの終盤の状況の既視感をぬぐえない。
しかし、今回誰よりも悩んでいるのは新キャラたちであり、自分たちが通った道であることを自覚してフォローに回る765のメンツが非常に頼もしい。

話し、ぶつかり、泣き、向き合い、次のステップへ行く。
言ってしまえば話の流れは王道のスポ根青春ものだが、「アイドル=プロ」の意識のもと行動する彼女たちの姿は非常に眩しい。ライブシーンはもっとボリューミーにして欲しかったが、それを補って余りある人間ドラマを観ることができた。

というわけで、週替わり来場特典コンプリート目指して、毎週映画館に通います。

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