2013年10月3日木曜日

環ROY 『ラッキー』


 ★★★★☆

01. ワンダフル
02. Kids
03. そうそうきょく (Prod by 蓮沼執太)
04. 台風
05. little thing
06. VIEWER
07. 電車
08. いいやつ
09. date
10. 仲間
11. いまここ
12. YES (Prod by 蓮沼執太)


ROYの通算4枚目のフルアルバム。

“ムラ社会”と揶揄されるヒップホップシーンに向けて痛烈なメッセージを放ったセカンド、その反動もあってか日常生活を背景に普遍的なメッセージを落とし込んだサード、そして本作はそんなサードの世界観を引き続き継承しつつ、ビートとロイのラップをさらに進化させた傑作だ。

「リリック」よりも「歌詞」、「作詞」に拘っているとロイは常々語っているが、本作は前作の「ハッピーバースデー」で見せた、「何気ない日常の描写」と「普遍的なメッセージ」の織り交ぜを見事成功させた作品と言っていいだろう。

前作はキャッチーな歌詞の「ハッピーバースデー」ばかり聞いていて、ほかの曲は取っ付きづらかった印象があったが、今作『ラッキー』は作品全体の風通しが非常に良く、すんなりと聞き通せる。

作曲陣にはもはやロイの作品には欠かせない□□□の三浦をはじめ、お馴染みのメンツが並んでいるが、中でもART-SCHOOLのトディこと戸高が参加している「Little Thing」が新機軸といえる曲だ。
ギターロック~チルウェイヴを通過したような、一聴するとあまりラップに適したトラックには聞こえないのだが、ロイの緩急の付いた“聞かせる”巧みなラップが乗ると実に「ヒップホップ」なサウンドに聞こえるから不思議だ。

この記事を書くために過去作も聴き通してみたが、作品を重ねるごとにラップに柔軟性が増している。

セカンドを聞いたときあまりのラップの上手さに衝撃を受けたが(それ以前のコラボEP集にも驚いていたが)、完全に過去の作品になっていた。ライブで過去曲がどのようにアップデートされるのかも楽しみである。(※後日渋谷WWWのワンマンを見に行きました。最高!)

 

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